ECサイトの強い味方、WordPress専用プラグイン、ショッピングカート「Welcart」の開発秘話

WordPress専用ショッピングカート「Welcart」の開発・提供を行っているコルネ株式会社。「Welcart」は、標準機能として日本国内の多くのECサイトに導入されており、稼働数は17,000サイトを超えている。WordPress専用と言えば海外シェアナンバーワンである「WooCommerce」があるが、日本で新たにECビジネスに参入する企業のほとんどはその二つのどちらにするか悩むほど、認知度の高いサービスだ。同サービスは、代表取締役 南部 正光氏によって2009年に開発されたもので、同社を設立するきっかけとなったものでもある。「Welcart」の開発に関して、南部氏は当時のことをこう振り返る。
「『Welcart』は前の会社の時に作り始めたものです。それまでは、ECサイトを一つ一つ、スクラッチで作っていましたが、あるデザイナーからWordPressのプラグインを作ったら、簡単にできるのではないかと言う情報をもらいました。当時、WordPressをあまり知らなかったのですがそれがWelcartを作り始めたきっかけです。
そもそもは自社のツールとしてプラグインを使っていこうということで開発を始めました。ところが、公開してみてもらい、フォーラムを作ったりして、いろんな人の意見を聞いて、直して、よくしていく、というやりとりが結構面白いんです。いろんな人が使って意見をくださるというコミュニティが出来上がると、そっちのほうがおもしろくなってきて。なら、プラグインはGPLとしてWordPress.orgに登録し、できるだけたくさんの方に使っていただこうという事で、2009年10月に公式プラグインとして公開しました。いろんな方が使うとなると、自分が知らない環境でみなさん使い始めるんですね。どこの環境でも動くようにするというのは、ものすごく難しい。一つのクライアントの環境で動けばいいというわけでなく、誰がどういう使い方をするのかわからないというのを想像しながら開発していくのが面白いなと。
最初は収益が無くて大変でした。でも、ユーザーが集まることで何かが生まれると信じて、開発とサポートを続けました。2012年に、Welcart開発をメインとするコルネ株式会社を立ち上げて、ようやくビジネスとして軌道に乗ることができました。」
「Welcart」によるスムーズなECサイト運営の裏側にある「KUSANAGI」
そんな「Welcart」は現在把握できるだけでも17,000社以上が使用している。使われ方は様々で、すべての機能を使っていることもあれば、会員機能だけの使用や、カタログサイト用に使用されていることもあるという。そして、ユーザーによって、商品の品数や、画像などのメディア使用数も様々だ。
例えば、掲載数が1万点以下であれば、Webサイトの表示速度にはさほど影響はないが、大量のメディアを掲載するとなると重くなってしまう。サーバ環境の改善で解消されることではあるが、ユーザーによっては環境があまり良くなく、諦めてしまうケースがあったという。そこで同社は、保守サービス付きのホスティングサービス「Welhost」の提供を開始、同ホスティングサービスには「KUSANAGI」が採用されている。南部氏は「KUSANAGI」の採用によってどういった影響があったか次のように教えてくれた。
「『KUSANAGI』ができたから、自信をもって提供できるようになりました。それまでは外部のエンジニアに環境を任せていましたが、なかなか安定しないので、自分でサーバを提供するのはちょっと無理かなと思っていました。そこで『KUSANAGI』を動かしてみたら、すごくきれいに動くんですね。もう素晴らしいなと思って。ただ、ホスティング料金は今とても安いので、それだけでの商売はなかなか難しいですね。なので、弊社は保守をパッケージにして、ミドルウエアのアップデートを含め、WordPressやプラグインのアップグレード、不具合の無償改善、SSLの更新などを提供しています。お客様には、ショップの運営に専念していただくという形の保守サービスをさせてもらっています。とにかくKUSANAGIは速いです。」
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「KUSANAGI」環境に移したクライアントでは売上が130%アップ

代表取締役 南部 正光 氏
ディレクター 藤野 真吾 氏
このように、「Welcart」を裏側で支えている「KUSANAGI」だが、お客様への提供でのエピソードについても教えてくれた。
「お客様では一番問題が起こるのは決済周りです。スペックが落ちると、通信障害やタイムオーバーで受注データの整合性が取れなくなってしまったり、いろいろと問題が起こります。なのでスペックの低いサーバは使わないようにして、余裕を持つ形でやってもらっていますが、たまに相性が合わないのか、サーバの不具合なのか、余裕があるのにクレジット決済のエラーがランダムに起こるということがちらちらあります。調査してみても原因がわからなくて、とりあえず弊社の環境(KUSANAGI)で動かしてみて調査しようという事になりました。
そうするとピタッと決済エラーが起こらなくなるんですね。不具合が出ないので、もう元のサーバが悪かったとしか言いようがなくて…。直ったからこのままいきますとお客様も言ってくれるという事例が何件かありますね。だから『KUSANAGI』には絶対的な信頼を置いています。弊社も助かっていますし、クライアントさん自身が、その恩恵を受けています。そのクライアントさんの環境ではエラーがなくなって、130%に売上が上がっています。」
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無料はもったいない、そう思わせられるほどの効果を発揮
同社では勉強会も行っており、「KUSANAGI」のセットアップを体験するような内容のものも開催しているという。南部氏は導入当初から今現在までの「KUSANAGI」についてこう語ってくれた。
「『KUSANAGI』の導入当初はいろいろテストしましたが、キャッシュがきつくてECでは無理かなと思った時期もありました。でも、どんどん改善していっているのが見えていましたので、アップグレードを繰り返してテストし続けていたところ、ある日すごくいい感じになったと思いました。また、大曲さんに助けていただきながら、『KUSANAGI』のセットアップで綺麗に動くパターンを見つけました。おかげ様です、本当に。それはECに限らずWordPressでのサイト全てに有効なので素晴らしいです。
これが無料ってもったいない、そういう感じですね。せっかくなので、これを自分で使えるといいなと思って福井で『KUSANAGI』の環境を作ってみようという勉強会をしました。みなさんすごく興味を持っていました。」