タイヤECサイト「TIREHOOD」の顧客の疑問を解決する「TIREHOOD MAGAZINE」
株式会社カーフロンティアは、油系を取り扱う三菱商事エネルギー株式会社の子会社としてスタートし、1988年に設立、燃油以外のカーケア用品などを販売してきた。ところが、昨今のガソリン価格変動や価格競争によって経営不振に陥るガソリンスタンドは増加している。
さらに、追い打ちをかけるように2011年に施行された消防法改正によって、燃料用地下タンクなどの設備改修の必要が出てきた事業者の中には、その費用がまかなえないことから廃業を選択する事業者が出ており、今やガソリンスタンドの数は10年前と比較すると約半数程度にまでその数を減らしてしまっている。
そこで同社は、これまでお世話になってきたガソリンスタンドへの恩返しの気持ちも込め、燃油の販売以外でも収益をあげられるよう新たな事業をスタートさせた。
その中の一つが、2016年10月に開設されたタイヤECサイト「TIREHOOD」だ。
同サイトはただのECサイトではない。同サイトで購入したタイヤの取付を近隣のガソリンスタンド等で行える予約機能があるのだ。さらに、これまでネットにあまり触れてこなかった事業者が早くなじめるよう、予約受付時の自動音声通知や、メールでの通知などの仕組みも取り入れられている。
また、タイヤの選び方などがわからないという理由からECサイトでの購入に戸惑いを抱える顧客のために、タイヤの選び方などの知識をわかりやすく書かれた「TIREHOOD MAGAZINE」や、顧客が質問を投稿し、タイヤ業界に長く携わってきたプロがそれに回答する「教えて!TIREHOOD」も開設されている。
これらは顧客のタイヤ購入時の障壁を下げる役割を果たしており、徐々に購入者数は伸び、それに伴いタイヤ取付の予約数も伸びている。こうしたサポートによって、ガソリンスタンドは従来のガソリンを販売するだけではない新たな収益源を得ることができたのだ。
ECサイトでのタイヤ購入への顧客の反応を次のように語ってくれた。
「これほどECが進んでいる中でも、なぜタイヤの購入が広がっていかないかというと、選べないとか、解らないとかがあります。情報を発信してまとめておく場所があることで、何か悩んだ時に訪問してもらって、タイヤの知識を増やしてもらい、インターネットでタイヤを購入するという障壁をなくして、『TIREHOOD』で買ってもらいましょうということで、『TIREHOOD MAGAZINE』を立ち上げました。」
WordPressとインフラ運用をまるっと委託できる「KUSANAGI」

開発ユニットマネージャー 田岡 圭介氏
順調に閲覧数を増やしている「TIREHOOD MAGAZINE」は、WordPressを活用して制作されており、その開発もひと段落したため、今後は顧客をより獲得していくための施策を打っていくことになる。
こうした状況の中、それまでコーポレートサイトとともに開発・保守を委託していた事業者との契約が終了することになった。事業者側でのリソースの確保が主な要因だが、同社内でもWordPressのメンテナンスにかけるために社内リソースを割くことは考えていなかったため、WordPressを保守してくれ、かつインフラ側の対応もしてくれる新たな外注先を探すことにした。
開発ユニットマネージャー 田岡 圭介氏は、検討時のことを振り返り、次のように話してくれた。
「WordPressが乗っているインフラだけこっちが見て、アプリだけ運用保守という形だと何かあった時に手間暇かかって、結局中の人間が見に行かないとわからないとなってしまう。WordPressの運用保守のメンバーを中に持つ気がないので、包括的に受け取ってくれるところを探していて、プライム・ストラテジーを知っていたこともあって声をかけました。値段もこちらが持っていた相場感ともあまり変わらなかったので、インフラ代も含めたら安価であると感じ決めました。」
⇒KUSANAGI導入前に自社サイトも高速化するかどうかチェックしてみる
⇒高速化を実現したKUSANAGIを見てみる
⇒一元保守を依託できるマネージドサービスを見てみる
パフォーマンスの維持への期待と、スピーディーな対応を評価
こうして、コーポレートサイトと共に2サイトを同時に「KUSANAGI」の環境に移設することになったが、移行において、実作業的なところでの問題は発生せず、スムーズに移行は完了したようだ。導入後の現在も問題は発生せず、順調に運営されているという。
今後は、修正や変更を行う頻度はさほど多くないと想定しているが、新たな顧客獲得のためにも記事数はどんどん増加していく予定だ。記事数の増加に伴い、PV数は伸びることが想定されているため、高負荷が起きた時でも安定したパフォーマンスを発揮していくことを期待されており、プライム・ストラテジーは引き続き対応していく。
最後に、プライム・ストラテジーの対応について聞いてみたところ、田岡氏は次のように評価してくれている。
「現場の方はスピーディー過ぎるというくらいスピーディーな対応でした。『どのくらいかかりますか?』という問いに対して『終わりました』って返ってきます。以前よりスピード重視のイメージでしたが、いまでもその姿勢は変わっていないですね。」