「Oracle CloudでKUSANAGIを動かしてみた」第3回(小澤昌樹氏)

小澤 昌樹

Oracle CloudでKUSANAGIを動かす手順について説明します。Oracle Cloudの登録から、ログイン方法、そしてKUSANAGI for Oracle Cloudのデプロイまでの手順を細かく解説します。特に、アカウント登録後に必要となる電子メールの通知や、パスワードの変更、インスタンスの生成、SSH公開鍵の登録などについて解説します。また、シェイプの重要性や課金システムの複雑さ等にも触れています。本記事はOracle CloudとKUSANAGIの使用方法を理解する上で非常に有用です。

1. はじめに

「Oracle CloudでKUSANAGIを動かしてみた」の3回目です。前回は、「Oracle Cloud」の課金システムについて簡単に解説し、さらに、アカウントを登録するところまでおこないました。今回は、その登録したアカウントを使ってOracle Cloudにログインし、さらに、KUSANAGI for Oracle Cloudのデプロイへと進んでいきたいと思います。

2. Oracle Cloudへのログイン

前回も取り上げましたが、再度、Oracle Cloudへのログインについて説明しておきましょう。

  • サイン・イン

まず、Oracle Cloudのホームページ(https://cloud.oracle.com/ja_JP/home)にアクセスします。アクセスしたら、そのページ上部にある「サイン・イン」ボタンを押しましょう。すると、クラウドアカウントの入力画面になります。クラウドアカウントは、Oracle Cloudを使う企業や組織を単位とするもので、このクラウドアカウントにユーザーアカウントが紐づきます。

アカウントの登録自体は非常に簡単なものでしたが、登録したクラウドアカウントを使えるようになるには、数時間待つ必要があります。クラウドアカウントを使用できる準備が整うと、電子メールが配信されます。電子メールにはクラウドアカウントへログインするための初期パスワードが記載されています。

すでに電子メールが配信されているなら、クラウドアカウントの入力画面で、クラウドアカウントを入力して次へ進みましょう。もし、クラウドアカウントの準備が整っていない場合は、次へ進むとエラーとなります。エラーの場合は、まだクラウド環境を使用する準備が整っていないので、電子メールが配信されるまで少し待ちましょう。

  • Oracle Cloudアカウントのサイン・イン

クラウドアカウントを入力して次の画面に進んだら、ユーザー名にメールアドレス、パスワードに電子メールで送信されてきた初期パスワードを入力して、サイン・インします。初回サイン・インでない場合は、設定しているパスワードを入力してサイン・インしましょう。

サイン・インに成功すると、パスワードのリセット画面が表示されるので、初期パスワードを変更しておきましょう。パスワードの変更が済むと、次のようなダッシュボード(クイックアクション)画面に進むことができます。

3. KUSANAGI for Oracle Cloudのデプロイ

それでは、続いて、KUSANAGI for Oracle Cloudをデプロイしてみることにしましょう。

  • クイックアクション

サインイン後に表示されるダッシュボード(クイックアクション)画面の左上にあるハンバーガーメニューを押して、メニューを表示させます。そのメニューの中から「マーケットプレイス」を選択しましょう。

  • マーケットプレイス

マーケットプレイス画面に遷移したら、「KUSANAGI for Oracle Cloud」を探しましょう。見つけたらクリックします。

  • KUSANAGI for Oracle Cloud

「KUSANAGI for Oracle Cloud」の画面を表示すると、次のように警告が表示されることがあります。この警告は、KUSANAGI for Oracle Cloudはus-ashburn-1リージョンで起動しなさい、というもので、ap-tokyo-1リージョン等を使用している場合に表示されるものです。画面右上の「ap-tokyo-1」の横にある下矢印を押して、リージョンのサブスクライブ画面を表示しましょう。

  • リージョンのサブスクライブ

リージョンのサブスクライブ画面で、「us-ashburn-1」をサブスクライブし、以下のように使用できる状態にします。

  • KUSANAGI for Oracle Cloud

改めて、マーケットプレイス画面からKUSANAGI for Oracle Cloudを選択して、表示してみましょう。すると、次のように警告の表示はなくなっています。

  • インスタンスの起動

「インスタンスの起動」ボタンを押すと、次のようなインスタンスの作成画面に遷移します。

  • SSH公開鍵の登録

インスタンスの起動画面では、SSH公開鍵を登録します。公開鍵は、ssh-keygenコマンドで作成するか、すでに存在しているものを使用しても構いません。SSHキー・ファイルの選択から、公開鍵を指定しましょう。

  • インスタンス・シェイプの選択

このまま起動してみます。すると、次のようにエラーが表示されました。

これは、シェイプが選択されていないことによるエラーです。ですので、ここで、「シェイプの変更」ボタンを押すと、次のようなシェイプの参照画面となります。

ここでは、「アイテムが見つかりませんでした。」と表示されています。これは、アカウントがサービス制限に達しているか、サービスを使えない状態となっているかなので、引上げリクエストを実施する必要があります。

シェイプは、インスタンスに割り当てることができるCPUやメモリサイズ、その他のリソースを決めるものです。ここにアイテムが存在しないことにはインスタンスを起動することができません。特に、無料アカウントで進めている場合は、試用期間が切れたタイミングで、シェイプがなくなってしまうので、引上げを実施する必要があります。

Oracle Cloudは、ここの課金システムが少し複雑で、シェイプの引上げリクエストの処理に手間取ってしまうと思います。ですので、今回は、ここまでとし、次回、引上げリクエストから解説することとしたいと思います。

今回は、KUSANAGI for Oracle Cloudをデプロイすることができませんでしたが、次回以降のお楽しみです。

※本情報は2019年7月現在のものです。

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