ミドルウェアの設定ファイル・ログファイルのパス

プライム・ストラテジー「KUSANAGI」開発チームの石川です。

KUSANAGI Security Editionでは複数のミドルウェアを使用していますが、標準のAlmaLinux OSのRPMパッケージとは異なり、KUSANAGI開発元のプライム・ストラテジーが提供しているRPMパッケージがあります。
具体的には以下が代表的なパッケージです。

kusanagi-python (Python 3.9)
kusanagi-php81, kusanagi-php82, kusanagi-php83, kusanagi-php84 (PHP 8.1, 8.2, 8.3, 8.4)
kusanagi-nginx126, kusanagi-nginx127 (Nginx 1.26, 1.27)
kusanagi-httpd24 (Apache HTTP Server 2.4)

これらのRPMパッケージではAlmaLinux OSのRPMパッケージと競合 (conflict) しないように、標準とは異なるパスにインストールしています。そのため、設定ファイルやログファイルのパスも標準とは異なっています。
KUSANAGIコマンドを使用して環境の構築や設定を行っていれば設定ファイルを直接編集することはほぼありませんが、トラブル調査のためにログファイルを参照したいケースはあると考えます。

今回は「ミドルウェアの設定ファイル・ログファイルのパス」について解説します。

なお、KUSANAGI Security EditionではKUSANAGI Free Edition, Business Edition, Premium Edition (以下 KUSANAGIの他のエディションとします) とはパスが異なります。KUSANAGI Security Editionではミドルウェアの複数のバージョンを組み合わせて運用できるようするために、バージョンごとにパスを変えているためです。そこで、KUSANAGI Security EditionとKUSANAGIの他のエディションで明確にパスに違いがある場合は並記するようにします。

Nginx

設定ファイルのパス

KUSANAGI Security Editionの場合

Nginxの設定ファイルは /etc/opt/kusanagi/nginxXXX 以下にあります。
XXXはバージョンです。例えば 1.26 の場合は /etc/opt/kusanagi/nginx126 となります。

また、プロファイルごとの設定ファイルは /etc/opt/kusanagi/nginx/conf.d 以下にあります。
上記のNginxの設定ファイル /etc/opt/kusanagi/nginxXXX/nginx.conf から /etc/opt/kusanagi/nginx/conf.d/*.confを参照するようになっています。

KUSANAGI Free Edition/Business Edition/Premium Editionの場合

Nginxの設定ファイルはバージョンに関わらず /etc/opt/kusanagi/nginx 以下にあります。
プロファイルごとの設定ファイルも /etc/opt/kusanagi/nginx/conf.d 以下にあります。

ログファイルのパス

KUSANAGI Security Editionの場合

Nginxのログファイルは /var/opt/kusanagi/log/nginxXXX 以下にあります。
XXXはバージョンです。例えば 1.26 の場合は /var/opt/kusanagi/log/nginx126 となります。

また、プロファイルごとのログファイルは /home/kusanagi/PROFILE/log/nginx 以下にあります。
PROFILEはプロファイル名です。例えば example.com プロファイルであれば、 /home/kusanagi/example.com/log/nginx となります。

KUSANAGI Free Edition/Business Edition/Premium Edition (9.5.0以降) の場合¹

Nginxのログファイルは /var/opt/kusanagi/log/nginxXXX 以下にあります。
XXXはバージョンです。例えば 1.26 の場合は /var/opt/kusanagi/log/nginx126 となります。

KUSANAGI Free Edition/Business Edition/Premium Edition (9.5.0以前) の場合

Nginxのログファイルはバージョンに関わらず /var/opt/kusanagi/log/nginx 以下にあります。

サービス名

KUSANAGI Security Editionの場合

nginxXXX となります。XXXはバージョンです。例えば 1.26 の場合は nginx126 となります。

KUSANAGI Free Edition/Business Edition/Premium Edition (9.5.0以降) の場合²

nginxXXX となります。XXXはバージョンです。例えば 1.26 の場合は nginx126 となります。

KUSANAGI Free Edition/Business Edition/Premium Edition (9.5.0以前) の場合

バージョンに関わらず nginx となります。

Apache HTTP Server

設定ファイルのパス

KUSANAGI Security Editionの場合

Apache HTTP Serverの設定ファイルは /etc/opt/kusanagi/httpdXXX 以下にあります。
XXXはバージョンです。例えば 2.4 の場合は /etc/opt/kusanagi/httpd24 となります。

また、プロファイルごとの設定ファイルは /etc/opt/kusanagi/httpd/conf.d 以下にあります。
上記のApache HTTP Serverの設定ファイル /etc/opt/kusanagi/httpdXXX/httpd.conf から /etc/opt/kusanagi/httpd/conf.d/*.confを参照するようになっています。

KUSANAGI Free Edition/Business Edition/Premium Editionの場合

Apache HTTP Serverの設定ファイルはバージョンに関わらず /etc/opt/kusanagi/httpd 以下にあります。

また、プロファイルごとの設定ファイルも /etc/opt/kusanagi/httpd/conf.d 以下にあります。

ログファイルのパス

KUSANAGI Security Editionの場合

Apache HTTP Serverのログファイルは /var/opt/kusanagi/log/httpdXXX 以下にあります。
XXXはバージョンです。例えば 2.4 の場合は /var/opt/kusanagi/log/httpd24 となります。

また、プロファイルごとのログファイルは /home/kusanagi/PROFILE/log/httpd 以下にあります。
PROFILEはプロファイル名です。例えば example.com プロファイルであれば、 /home/kusanagi/example.com/log/httpd となります。

KUSANAGI Free Edition/Business Edition/Premium Editionの場合

Apache HTTP Serverのログファイルはバージョンに関わらず /var/opt/kusanagi/log/httpd 以下にあります。

サービス名

KUSANAGI Security Editionの場合

httpdXXX となります。XXXはバージョンです。例えば 2.4 の場合は httpd24 となります。

KUSANAGI Free Edition/Business Edition/Premium Edition の場合

バージョンに関わらず httpd となります。

PHP

設定ファイルのパス

KUSANAGI Security Editionの場合

PHPの設定ファイルは /etc/opt/kusanagi/phpXX.d 以下にあります。

また、php-fpmの設定ファイルは /etc/opt/kusanagi/phpXX-fpm.conf と /etc/opt/kusanagi/phpXX-fpm.d 以下にあります。
XXはバージョンです。例えば 8.1 の場合は /etc/opt/kusanagi/php81.d となります。

KUSANAGI Free Edition/Business Edition/Premium Editionの場合

PHPの設定ファイルはバージョンに関わらず /etc/opt/kusanagi/php.d 以下にあります。

また、php-fpmの設定ファイルはバージョンに関わらず /etc/opt/kusanagi/php-fpm.conf と /etc/opt/kusanagi/php-fpm.d 以下にあります。

ログファイルのパス

KUSANAGI Security Editionの場合

php-fpmのログファイルは /var/opt/kusanagi/log/phpXX-fpm 以下にあります。
XXXはバージョンです。例えば 8.1 の場合は /var/opt/kusanagi/log/php81-fpm となります。

KUSANAGI Free Edition/Business Edition/Premium Editionの場合

php-fpmのログファイルはバージョンに関わらず /var/opt/kusanagi/log/php-fpm 以下にあります。

サービス名

KUSANAGI Security Editionの場合

phpXX-fpm となります。XXはバージョンです。例えば 8.1 の場合は php81-fpm となります。

KUSANAGI Free Edition/Business Edition/Premium Edition の場合

バージョンに関わらず php-fpm となります。

最後に

KUSANAGIのミドルウェアの設定ファイルは基本的にKUSANAGIコマンド経由で編集を行うことを前提としています。
NginxやApache HTTP Serverの設定ファイルでアクセス権等をカスタマイズしたり、PHPの設定ファイルでパラメータを変更するといった軽微な変更であれば問題ありませんが、設定ファイルの構成を変更したり、パスを変更するような大きな書き換えを行った場合にはKUSANAGIコマンドの動作を保証できなくなりますので、ご注意ください。