「Oracle CloudでKUSANAGIを動かしてみた」第2回(小澤昌樹氏)

小澤 昌樹

この記事は、「Oracle CloudでKUSANAGIを動かしてみた」2回目に続き、Oracle Cloudの課金システムとアカウント作成の方法について説明しています。Oracle Cloudの課金システムは「ユニバーサル・クレジット」を使い、従量課金と月額プリペイドの2種類があります。さらに、各種オンプレミス製品のライセンス移行も可能で、コストメリットが多いケースがあるとのこと。記事の後半部分では、「Oracle Cloud」へのアカウント作成方法が詳しく解説されています。

1. はじめに

前回より始まりました「Oracle CloudでKUSANAGIを動かしてみた」の2回目です。前回は、パブリッククラウドサービスの「Oracle Cloud」についてざっくりと紹介しました。多様なサービスがあることに驚きましたね。さて、今回は、Oracle Cloudの課金システムについて説明し、アカウント登録へと進んでいこうと思います。

2. Oracle Cloudの課金システム

Oracle Cloudの課金システムは、ユニバーサル・クレジットという仕組みを利用しています。ユニバーサル・クレジットには、主に次のような支払方法があります。

  • Pay As You Go(従量課金)

利用した分だけ翌月に請求される完全従量制の支払い方法です。多くのパブリッククラウドサービスで採用されているのでおなじみですね。

使用するサービスが特定されていないとか、実際の使用量が見積もれていない場合には、こちらを選択します。

例えば、Standardの仮想マシンインスタンス(1CPU、メモリ8G)を使用する場合、Pay As You Goは、3.6円/時間なので、31日間、24時間稼働を続けると、2678.4円となる計算です。

  • Monthly Flex(月次フレックス)

月額プリペイドを事前購入し、不足した分を従量課金のPay As You Goで支払う方式です。月額プリペイドは、月末にリセットされ、未使用分を繰り越すことはできません。契約期間は最低1年で、月額12万円以上の購入が必要ですが、契約期間と購入金額に応じた割引(最大45%割引)がおこなわれます。

使用するサービスが確定していて、使用率の見積ができている場合は、こちらを選択すればよいと思いますが、金額などを踏まえて考えると、企業向けの支払い方法と言えます。企業全体でOracle Cloudを使用する場合は、1つのクレジット契約に集約できるので、コストメリットを得られるケースが多いでしょう。

費用については、Oracle Cloudのページで見積ができます。参考にしてみてください。

https://cloud.oracle.com/ja_JP/cost-estimator

なお、企業が保有しているOracle Databaseなどのオンプレミス製品のライセンスを、それぞれに対応したクラウドサービスに移行することも可能です(BYOL to PaaS)。既存のソフトウェア・ライセンスを活用でき、サポートも継続できるので、オンプレミスからクラウドへの移行がしやすくなります。

さらに、忘れてはいけないのがサポートサービスの利用料です。Oracle Cloudはサポートサービスを利用しても追加料金が発生しないので、サービス全体としてのコストが抑えられるケースも出てくることでしょう。

3. Oracle Cloud へのアカウント作成

それでは、いよいよ、Oracle Cloudにアカウントを作っていくことにしましょう。

  • アカウントの作成

Oracle Cloudのサイトにアクセスします。画面上部にある「無料で試してみる」のボタンを押しましょう。すると、以下のような画面となります。

Oracle Cloudは、初回アカウントに、30日間、最大3500時間使用できる無料クレジット300ドル分をプレゼントするプロモーションを実施しています。是非活用しましょう。

この画面で、メールアドレスと国を入力すると、アカウント詳細の入力画面へと遷移します。

  • アカウント詳細の入力

アカウント詳細の入力画面では、次のように入力します。

  • クラウド・アカウント名

アカウントのURLに使用するものです。識別しやすい文字列(アルファベット小文字と数字のみで構成)を入力します。

  • Home Region(リージョン)

リージョンを選択します。サービスの提供状況を鑑みて選択しましょう。

なお、東京リージョンは、2019年5月8日に開設されたものです。東京リージョンは、オラクル社が次世代クラウド基盤(第2世代のクラウド)「Generation(Gen)2 Cloud」と呼ぶ最新のアーキテクチャで構築されています。顧客がベアメタルサーバの性能を専有できるといった高性能を特徴として、セキュア、パフォーマンス、性能、価格、拡張性などを強みとするとされています。

  • 名前、住所

必要な箇所を入力します。

  • 電話番号

携帯電話のSMSに認証コードが届くので、適切な電話番号を入力します。

入力が済んだら、携帯電話にSMSで認証コードが届くので、その認証コードを画面に入力します。正しい認証コードが入力されると、クレジットカード詳細の追加画面に遷移します。

  • クレジットカード詳細の追加

アカウントのアップグレードをしない限り請求は発生しませんが、クレジットカード番号を入力しないと次に進めないので、入力します。

クレジットカード情報が正しく追加されると、「サインアップの完了」ボタンが表示され、アカウントの作成は完了となります。初期パスワードが記載されたメールが届いているはずなので確認しましょう。

  • サイン・イン

それでは、ログインしてみましょう。

Oracle Cloudのページ上部にあるに「サイン・イン」ボタンを押しましょう。すると、アカウントURLの入力画面となります。アカウント欄には、先ほどのクラウド・アカウント名を入力します。入力したら「次へ」を押しましょう。

  • ログイン

次のようなログイン画面が表示されます。

ユーザー名にメールアドレス、パスワードにメールで送信されてきた初期パスワードを入力して、サイン・インしてみましょう。

サイン・インに成功すると、パスワードのリセット画面が表示されるので、初期パスワードを変更しましょう。パスワードの変更が済むと、ダッシュボードに進みます。

  • ダッシュボード

ダッシュボードは次のような画面です。最初なので、まだサービスはありません。

次回以降、このダッシュボードから作業を進めていきます。

今回は、Oracle Cloudの課金の概要について説明したのち、Oracle Cloudのアカウント作成へと進んできました。アカウント作成は驚くほど簡単なものでしたね。

さて次回は、Oracle Cloudのダッシュボードから、まずは通常のインスタンスの作成をおこなってみましょう。さらに、KUSANAGI for Oracle Cloudをデプロイするところまで進めてみたいと思います。

※本情報は2019年5月現在のものです。

<< 「Oracle CloudでKUSANAGIを動かしてみた」第1回「Oracle CloudでKUSANAGIを動かしてみた」第3回(小澤昌樹氏) >>

関連記事

Webサイト運用の課題解決事例100選 プレゼント

Webサイト運用の課題を弊社プロダクトで解決したお客様にインタビュー取材を行い、100の事例を108ページに及ぶ事例集としてまとめました。

・100事例のWebサイト運用の課題と解決手法、解決後の直接、間接的効果がわかる

・情報通信、 IT、金融、メディア、官公庁、学校などの業種ごとに事例を確認できる

・特集では1社の事例を3ページに渡り背景からシステム構成まで詳解