すでにいろいろなメディアで報道されていますが、東京都の新型コロナウイルス感染症対策サイトに関して「オープンソースの力」を感じることができましたので、ご紹介したいと思います。
元ヤフー社長の副知事がリーダー
2月26日に東京都は、日々感染者数が増えていく中で、いかに迅速に情報を都民に届けていくかが最重要な課題と考え、元ヤフー社長の宮坂副知事(@miyasaka)をリーダとして特別広報チームを立ち上げました。
そこで東京都は、情報技術を活用して全国の自治体やコミュニティと地域課題解決に取り組む一般社団法人「コード・フォー・ジャパン」に開発を依頼しました。「コード・フォー・ジャパン」は、開発を始めた翌日には、すぐにサイト公開までこぎ着け、現在も改良を続けながら、公開しています。
今回の取り組みの特徴は、開発したソースコードをGitHubでオープンソースとして公開したことです(*3)。
GitHubへのソースコード公開による広がり
GitHubで公開したことで、世界中の英知を結集することが可能になりました。具体的には、台湾のIT大臣オードリー・タン氏からも貢献を頂いています。
現在、このサイトのコードを活用して、北海道から鹿児島県まで全国の41都道府県で、情報を発信しています。
またデータもオープンデータ化することで、各地のサイトを構築しやすくしています。
アジャイル開発で日々改善
開発には、日々改善を行うことができるアジャイル開発手法を採用したことも成功の大きな要因になったといえると思います。コードを公開し、そのコードを日々改善していくことで、洗練度を上げていくことができました。
今回の事例は、突発的な事象に迅速に対応する必要があり、このような対応をとれたのかもしれません。
しかしながら、このような手法で取り組むことで世界中の英知を結集して短期間でシステムを作り上げ、同様な課題を抱えている方々が活用できるというこのような取り組みを、多くの方に知ってもらえる良い機会だったかもしれません。
もちろん、まだ問題は解決したわけではないので、まだ予断を許さない状況です。これからの状況をWatchする必要があります。
分散コンピューティングプロジェクト「Folding@home」
また、新型コロナ解析については、分散コンピューティングプロジェクト「Folding@home」に参加することでも貢献することができます。
「Folding@home」は、PCやサーバの余っているCPUやGPUを活用して難病の解析に役立てるプロジェクトで、このプロジェクトに新型コロナウイルスを解析するプログラムが追加され、演算能力を1EFLOPS(エクサフロップス)を超えました。
FLOPS(フロップス)はコンピューティング性能の指標。1EFLOPSは1秒間に100京回の浮動小数点演算が可能。PCにインストールするだけで簡単に参加できますので、ぜひ皆さんも参加をご検討ください。
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