プライム・ストラテジー株式会社(代表取締役社長 渡部 直樹、本社所在地:東京都千代田区、以下「プライム・ストラテジー」)は、超高速CMS実行環境「KUSANAGI」でWordPressの表示を高速化する「テーマアクセラレーター」の提供を開始したことをお知らせします。
「テーマアクセラレーター」は、WordPressのテーマ(表示に利用されるテンプレート機能)を解析し、表示速度のボトルネックとなりうる部分を再利用することで表示速度を改善します。ユーザーはテーマのカスタマイズやプラグインの導入をすることなく、WordPressサイトの表示を高速化することができます。
WordPressの進化
ウェブサイトの43.1%で利用されているWordPress(※)は、情報発信のツールとしてのよりよいユーザー体験を目指し、進化を続けています。
※W3Techs.com, 27 July 2023 Usage statistics of content management systems
WordPress5.0では ブロックエディタ(Gutenberg)が標準のエディタとなり、直感的な操作で記事を制作することができるようになりました。
そして、最近ではこれまでテンプレートで管理してきたヘッダーやフッター・サイドバーなどのパーツを管理画面からブロックを利用して組み立てることができるようになりました。
この機能はフルサイト編集(Full Site Editing)と呼ばれています。アプリケーションの開発では、できるだけコードを書かないローコード、ノーコードという手法が注目されており、WordPressでのサイト制作の方法の変化もこの流れに沿うものといえます。
「テーマアクセラレーター」開発の背景
しかしながら、これらの機能の充実とともに、表示速度が遅くなる傾向にあります。WordPress 5.8と 6.1の比較では最大69%の速度低下がみられました。(当社調べ)
WordPressでも速度改善の施策が進んでいますが、エンジニアではないユーザーが新しい手法でサイトを制作した際にもできる限り容易に高速化ができる環境をサポートすることが好ましいと考え、テーマの高速化機能の開発に取り組むことにいたしました。
「テーマアクセラレーター」の効果
「テーマアクセラレーター」はこれまでの一般的なテーマとフルサイト編集対応のテーマを判定し、それぞれを高速化します。特にデータ量が多く、ヘッダーやフッターなどをブロックを利用して複雑にカスタマイズしているサイトやページキャッシュを利用できないサイトに対し高い効果を発揮します。
以下のデータは当社コーポレートサイトのデータを利用し、コンテンツとカスタマイズの多い事例の一覧ページと事例の個別ページについてフルサイト編集対応テーマと従来のテーマで「テーマアクセラレーター」無効時と有効時の速度を比較したものです。
フルサイト編集対応テーマ 一覧ページ |
フルサイト編集対応テーマ 個別ページ |
従来のテーマ 一覧ページ |
従来のテーマ 個別ページ |
|
「テーマアクセラレーター」 有効時 |
10.9% 削減 | 9.7% 削減 | 53.0% 削減 | 24.9% 削減 |
※4スレッド、1000回ループリクエストで アクセス時間の中央値を計測
※従来のテーマはGeneratePress、フルサイト編集対応テーマはX-T9を利用
効果については、テーマやプラグイン、コンテンツの量などにより大きく変動いたしますが、フルサイト編集対応テーマで10%、従来のテーマで25%~50%程度の表示速度の改善が見込めます。
ご利用方法
管理画面「KUSANAGI」プラグインの設定で「その他」を選択、「テーマアクセラレーター」の有効化にチェックを入れて有効化します。
管理画面上部、管理バーの「clache clear」ボタンででキャッシュを削除することができます。
今後の流れ
フルサイト編集の機能は発展段階にあるため、今後のアップデートに注目し、引き続き多くの皆様に高速なウェブサイトの運用環境を提供できるよう、研究開発を進めるとともに、KUSANAGIをさらに独自性の高い、市場ニーズに応える製品として成長させてまいります。
関連技術情報
テーマアクセラレーターの詳細にご興味のある方は以下のコラムをご覧ください。
KUSANAGIプラグインのテーマアクセラレーターの紹介
超高速CMS実行マシン「KUSANAGI」について
KUSANAGI はプライム・ストラテジーが開発・提供する高速でセキュアな仮想マシンイメージです。世界34カ国209リージョン、国内外の主要な31プラットフォームでご利用可能(2023年5月現在)で、累計稼働台数は7万台を超えています(2023年2月現在)。
一般的なクラウド環境 (*1) においてページキャッシュ利用時に1秒あたりの同時リクエスト数約25,000超 (HTTP時) 、ページキャッシュ非使用時に1秒あたりの同時リクエスト数約210超 (HTTP/HTTPSとも) を実現します。また、標準のLAMP環境 (*2) と比べ、ページキャッシュ使用時に約2,330倍の、ページキャッシュ非使用時に約20倍の高速化を実現します。
個人ユース向けの「無償版」、ビジネスユース向けの有償版「Business Edition」、Web高速化エンジン「WEXAL® Page Speed Technology®」を搭載したビジネスユース向けの有償最上位版「Premium Edition」の3つのエディションを提供しています。
KUSANAGI 公式サイト:https://kusanagi.tokyo/kusanagi9/
*1 Microsoft Azure Standard D4as_v4インスタンス (2.35Ghz AMD EPYC 7452 プロセッサ 4 vCPU, 16GiB), Premium SSD LRS, 東日本リージョン, KUSANAGI 9.1.0-1, PHP 7.4.27, Nginx 1.21.4, MariaDB 10.5.13, WordPress 5.8.2 で計測
*2: Microsoft Azure Standard D4as_v4インスタンス (2.35Ghz AMD EPYC 7452 プロセッサ 4 vCPU, 16GiB), Premium SSD LRS, 東日本リージョン, CentOS 7.9.2009, PHP 5.6.40, Apache 2.4.6, MariaDB 5.5.68, WordPress 5.8.2 で計測
プライム・ストラテジーについて
プライム・ストラテジーは「すべてはエンタープライズOSSエコシステム発展のために」を企業理念にかかげ、社会的課題をテクノロジー中心の仕組みにより解決し、社会的価値を創造することを目指しています。
Web高速化ソリューション「KUSANAGI Stack」を開発し、主要クラウド等から提供するほか、WordPressをはじめとするCMS、およびサーバの保守管理を一貫体制で提供するフルマネージド型のサポートサービス「KUSANAGIマネージドサービス」やクラウドインテグレーションサービス、ライセンスの各サービスを提供しています。
社名 | プライム・ストラテジー株式会社 (東証スタンダード 証券コード:5250) |
本社 | 東京都千代田区内神田一丁目2番2号 小川ビル10階 |
代表者 | 代表取締役会長 中村 けん牛 代表取締役社長 渡部 直樹 |
資本金 | 4億2939万4600円 |
事業内容 | KUSANAGI Stack事業 ・マネージドサービス ・クラウドインテグレーションサービス ・ライセンス KUSANAGI Stackの開発と提供 ・超高速CMS実行環境「KUSANAGI」 ・高速化エンジン「WEXAL® Page Speed Technology®」 ・戦略AI「ONIMARU® David」 |
URL | https://www.prime-strategy.co.jp/ |
本件に関するお問い合わせ
プライム・ストラテジー株式会社 広報担当 相原までお寄せください。
お問い合わせ:https://www.prime-strategy.co.jp/contact-us/
TEL:03-6551-2995(代表) / FAX:03-6551-2941
※本プレスリリースに記載されている社名、製品名などは、各社の登録商標または商標です。